五分車とは畑で収穫したさとうきびを、糖廠(製糖工場)まで運搬する目的で作られた専用鉄道のことです。
今春で終焉を迎える五分車を見てきました。
かつては台湾南部を中心に多くの路線があった五分車ですが、製糖産業の衰退と共に路線は縮小されてゆきました。現在、
現役で走っているのは雲林県の虎尾糖廠だけとなりました。
思いがけず糖廠の中へ入ることが出来ました。
台湾には操業を止めて観光施設として生まれ変わった糖廠がいくつかあるのですが、現役で稼動する糖廠を見るのは初めてです。
子供の頃から稼動している工場にはわくわくさせられます。
糖廠内はとても広く、中でも鉄道施設は広く取られています。 ここは機関車の車庫兼整備場といったところでしょうか。
車庫の中では機関車が整備を受けていました。
今春が最後といわれる五分車ですが、きちんと整備されている姿を見て嬉しくなりました。
構内では台湾の鐵路迷(鉄道ファン) 達が熱心に写真を撮っています。台湾でも日本と同様に、鉄道を趣味とする人が多くいます。五分車はここ虎尾糖廠が最後ということもあり、 台湾各地から撮影者が訪れます。
空の貨車を連ねた列車が、
さとうきび畑に向け糖廠を出発します。
自動車で列車を追いかけました。
虎尾糖廠五分車 中篇 に続く
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五分車の語源ですが、線路の幅(軌間)に由来します。
軌間が「標準軌:1435mm」の「半分(五分)」の幅なので「五分車」なのだそうです。台糖鉄路は日本の軽便鉄道と同じ規格だと思いますので、正確に半分ではないのですけどね。
昔の台東-花蓮間の鉄道はこの軌間でした。
日本の鉄道はこの軌間が一般的です
1435mm:一般的に標準軌といいます
新幹線、丸ノ内線、銀座線、阪堺電軌、箱根登山鉄道 など
1067mm:狭軌
JR など 台湾と日本の鉄道は殆どここに該当します
762mm:所謂軽便鉄道というのはこの軌間です。
黒部渓谷鉄道、近鉄内部線、近鉄八王子線、三岐鉄道北勢線