虎尾糖廠 五分車 中篇 の続きです。
機関車は、さとうきびを満載した貨車を回収しながら糖廠へ戻ります。
さとうきびを積んだ貨車を収容して糖廠に帰る為に機関車が動き始めました。
貨車の無い機関車は想像以上に速くて吃驚。身軽なので速いのは当然なのですが、速いのは「少しでも早く糖廠へ帰れば、(運転士が)
早くお昼ご飯が食べられるからだ。(だから飛ばしている)」と聞いたのには笑いました。
沿線の何箇所かの積み込み場でさとうきびを満載した貨車を繋げ、段々と編成が長くなってきました。空の貨車と運んだ往路とは違い、
満載されたさとうきびの重さが機関車に掛かります。最後には10km/h以下程度の速度となってきます。こうなりますと、
撮影する方としては非常に楽です。撮影後に追いかけても、すぐに追い付いて追い抜けます。
それにしても、一両の機関車でこれだけの貨車をよく牽引できるなぁと感心します。小さくても、かなりの力持ちです。
沿線には(道路と軌道が一緒の)併用軌道となっているところもあり、直接追い抜いたりしました。結構スレスレのところを走るので、 ドアミラーが貨車にぶつかるのではと思う場面もありヒヤヒヤしました。
さとうきびを満載した列車が県道19号線の踏切を進みます。踏切警手のおばちゃんお疲れ様です。
県道19号線の踏切から去り行く列車の全景です。列車はギシギシと大きな音を立てながら、ゆっくりと進みます。
菜の花畑を抜け、段々と糖廠に近付いてきました。
田植えを終えたばかりの田んぼの中の小さな踏切を走り抜けます。
向こうに見える高架線路は台灣高速鐵路(台湾新幹線)です。来年もこの五分車が走ってくれれば、 新幹線と交差する写真も撮れたかと思うと残念です。
列車は糖廠のある市街地まで戻ってきました。
線路内に立ち入っている人や自動車の退避を促す為、列車は警笛を鳴らしながらゆっくりと走ってきます。
この踏切を越えれば糖廠です。列車は大きな軋み音をさせて糖廠に入ってゆきました。
台湾には製糖工場としての役割を終えて観光施設となった「観光糖廠」において、五分車が運転されているところが何箇所か存在します。
貨車を改造し人が乗れるようにして、少しの距離を走るというものです。この観光五分車は、台湾ではかなり人気があります。嘗て、
台糖鉄路は南部を中心に多くの路線があり生活の中に普通に存在したことから、ある程度以上の歳の人達にとっては懐かしさ感じるもののようです。
そんな時代を知らない子供達には、日本で言う「遊園地の鉄道」のような感覚なのかも知れません。
どこにでも存在した台糖の五分車の姿を見ることが出来るのも、あと僅かの期間となりました。
製糖産業の歴史を語る上で欠かすことが出来ない五分車、“観光”糖廠でお客さんを乗せるのではなく、
さとうきびを載せて走るところを一箇所ぐらい残しても良いのではないかと思います。
台糖にそんな余裕は無いのかも知れませんが…。
http://www.taisugar.com.tw/
台灣糖業公司
http://www.taisugar.com.tw/etaipei2/TaiSugar/index.jsp?recordid=98
台灣糖業公司 虎尾糖廠の説明
Google日本で虎尾糖廠を検索
Google台湾で虎尾糖廠を検索
台糖 虎尾糖廠 雲林縣虎尾鎭
http://www.voiceblog.jp/ktkr/
こちらこそ、本当にありがとうございました。
一人で行っていましたら、あそこまで“濃い”写真は撮ることが出来ませんでした。
来季も運転して欲しいものですね。