台湾の東を縦断する花東線。
花東線には僅かながら蒼い旧型客車を使用した平快(客車の普通列車)という種別の列車がありました。しかし、2010年12月21日をもって平快の運転を終了しました。
台東6時58分発の平快200次に乗り込みます。
朝早い時間の列車ですので、台東に前泊しなければ乗車することは不可能です。ダイヤ改正まで一ヶ月を切っていましたが、「平快に乗車すること」が目的と思われる人は私を含めて僅か3人でした。その他の旅客も4,5人といったところです。
途中駅で対向列車の待ち合わせ。
この日は女性の鉄道ファンも乗車していました。僅かな時間も列車を降りて熱心に写真を撮影していたのが印象的でした。
窓を開けると爽やかな風が入ってきます。
ダイヤ改正で平快が無くなり、花東線でも窓を開けることはできなくなります。窓を閉め切っての冷房化は確かにサービスの向上なのかもしれませんが、安全上も窓が開くというのは必要だと思います。日本でも殆ど窓が開かない通勤電車が走行中に停電に遭遇し、空調が効かないので蒸し風呂状態となったという話を聞きます。
窓を開けると架線柱が目に入ってきました。花東線でも電化工事が進捗しているようです。架線柱がズラーッと立ち並ぶ光景は、今後の更なる車輌の更新を暗示されます。
のんびりと旅を楽しむ、そんな時代は過ぎ去ってしまうのでしょうか。
私は日本では客車鈍行の旅をしたことが殆どありません。日本で出来なかった旅を台湾で体験しているという感じがしていました。もう少し足繁く花東線に通えばよかったかな。
蒼い列車は一路花蓮を目指します。 そして、定刻通り花蓮に到着し、平快200次の旅は終わりました。
旧型客車を使用した列車はとうとう南廻線に残るのみとなりました。旧客好きの鉄道ファンは、南を目指すことになりそうです。
台東から山里までの一区間のみ動画に収めました。お時間のある方は御覧下さい。
画質は良くありませんが、列車の雰囲気だけでも伝われば嬉しく思います。
花東線 平快200次
花東線は花蓮-台東間155.7km