平渓線 前篇 の続きです。
十分駅は平渓線の中間に位置し、唯一列車のすれ違いが行われています。
列車を降りた乗客から集札をしているのは副駅長さん。
副駅長さんに駅施設の案内をして頂きました。
駅事務室内に案内して頂きました。線路側に設置されているのがタブレット閉塞機です。
左にある閉塞機は三貂嶺駅と、右にある閉塞機は菁桐駅と相互にやり取りをします。
路線を一定の区間に区切ることを閉塞と言います。一つの閉塞区間に二つ以上の列車が同時に運行できないようにすることで、 列車事故を防止しています。タブレット閉塞方式とは、閉塞区間にタブレットを持った一列車のみの運行を許可することで、 列車の安全を確保する運転方式です。
タブレットは区間の両端駅の閉塞機の中に数個入っていて、 両端駅に一つずつ設置されている閉塞機から一つしか取りだせないような仕組みになっています。その区間にタブレットは一つしか存在しないので、 タブレットを持っている列車は列車同士の衝突などの恐れもなく安全に運行できることになります。
これがタブレットです。真鍮製でかなり重いです。
区間によりタブレットの中の穴の形が異なります。写真のタブレットは三貂嶺駅〜十分駅間のもので三角の穴があいています。
穴が四角や丸形のものもあり、誤って閉塞機が別の区間のタブレットを受け付けることのないようになっています。
十分駅の閉塞機は昭和5年(1930)3月製でした。
平渓線が現在の姿になったのが昭和4年(1929)10月とのことですので、ほぼ開通当時から使い続けられ、
列車の安全運行を担っているということになります。大事に使って頂いてとても嬉しいですね。
閉塞の説明が終わると、副駅長さんは信号梃子の実演をして頂きました。
左の信号梃子を手前に倒すと、信号機の表示が変化します。
この信号機は腕木式信号機と言い、昼間は腕木と呼ばれる板で、夜間は灯色で列車に対して信号を現示します。板が水平の状態は停止信号(赤) 、左斜め下45度の時は進行信号(青)となります。
写真に奥にある信号機(こちらからは逆向きになっています)が、菁桐方面から十分駅に進入する列車に対する信号機(場内信号機)です。 副駅長さんが信号梃子を操作したので、赤信号から青信号に切り替わっています。
親切に説明して下さった副駅長さん、ありがとうございました。
十分駅前の小さな街は、線路を真ん中にして開けています。
専用の線路なのですが、柵もなく、まるで庭先を走る路面電車の線路のようです。
平渓線 後編へ続く
最後の街並みの写真は、故郷・鎌倉の江ノ島電鉄を思い出します。まさに行って見たくなる平渓線のレポートをありがとうございました。
難しくならないように書いたつもりですが、鉄道に興味がない人にも分かるように書くのは難しいですね。
閉塞機の構造は複雑ではないと思いますので、そう簡単に壊れるものではないと思います。大事に使われて入れば地方にはまだ現役のものがあるかも知れません。
こちらの記事を前篇は行く前に、
この中篇は帰ってから拝読しております。
木柵から平渓までバスで行き、平渓から十分まで列車に乗車、
十分から瀑布へ歩いて往復し再び十分から列車に乗り八堵乗り換えで基隆への道のりでした。
瑞芳の手前で運転士さんが片言の日本語で「小姐、台北なら乗換え」と声をかけてくださいました。
私は一人だったので黙っている分には外国人とはわからないだろうと思っていたのですが、
なにか持ち物などでわかるものなのでしょうか。
基隆行きの切符を見せると「八堵で3番プラットフォームで乗り換えてね」と教えてくれました。
それから運転席横の座席に案内していただいてお茶をご馳走になりました。
途中の景色、列車の風情、平渓と十分の町並み、
滝のすがすがしさ、途中で食べたお弁当のおいしさ、
どれをとっても満点の一日でした。
こういった一日を過ごすと、台北の喧騒の夜が少々身にこたえたのですが・・・
これって自分が歳をとったってことでしょうか。
では本篇、後篇を楽しみにしております。
台湾の旅を楽しまれたようで何よりです。
喋らなければ日本人だと分からないと私も思っていました。
でも、服装や仕草で分かるみたいなんですよね。
binchanさんは一人旅だったのでしょうか?
一般的な“観光旅行”をしたい人と一緒では、中々このような旅程は難しいと思います。
私はいつも気楽な一人旅なので、旅程変更も思いのままです。
でも、誰か一緒に楽しんでくれたらいいなと思うことはあります。何度も台湾へ行ったことがある人とならば、地方の旅も更に面白いかも知れません。
台北の喧騒は、確かに疲れることもありますね。
台湾は地方が面白いです。
今度行かれるときは、もっと南へ東へと足を伸ばしてみて下さい。