台中駅は台中市の中心にあります。
大正6年(1917)に建てられた美しい駅舎が、90年経た今も現役で使われています。
2004年に撮影した台中駅です。
始めて見た台中駅は立派に見えました。堂々としていて赤い煉瓦に白い横縞が特徴的でした。デジタル時計がなければもっと見栄えが良くなると感じられました。
その後、駅舎は建てられた当時に復元する工事を行い現在の姿になりました。
復元後の姿を見て大変驚きました。煉瓦の色も違いますし、白い横縞もありません。あの色は元々の色ではなく、後から塗装したものだったのですね。無粋なデジタル時計もなくなりました。改修前と比べますと、すっきりして上品さを感じます。この時代にこのような駅舎を作るということは、台中が当時からかなり重要な街だったのだと思われます。同じ時代の日本でもこのような立派な駅舎は少ないのではないでしょうか。
ただ、残念なのは中央の塔です。塔の中心には鉄道管理局のマークが入っていますが、これは元々時計塔のはずです。昔の駅にはこのような大時計がありました。腕時計などが普及していない時代、駅の大時計は時刻を知る上で重要な役目を果たしました。ここには大時計を復元してほしかったです。
しかし、これだけの修復をしてもらい、台中駅舎は幸せ者だと思います。
いつまでも現役駅舎として、そこにあり続けてほしいと思いました。
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