集集線 前編の続きです
緑色隧道を駆け抜けた列車は、路線名となった集集駅に到着します。
集集駅舎は切妻造りの木造平屋建てです。
昭和5年(1930)に完成した木造駅舎は1999年の集集地震で倒壊してしまいました。しかし、倒壊した駅舎の使える部分はできるだけ再利用して修復工事が行われ、2001年に元の姿を取り戻しました。屋根瓦などに至っては一枚一枚番号を振って回収し利用したとのことで、一度倒壊したとは言え、当時の駅舎が残っているといっても差し支えは無いのではないでしょうか。
平日は閑散としている集集駅ですが、休日になると駅を観る為に観光客が訪れて大混雑します。駅ですから、鉄道利用の人も多いのですが、団体バスや自家用車で訪れる人が大半です。これは列車本数が少ないので仕方が無い面もあるとは思います。
駅前広場には阿里山で活躍した22號蒸気機関車が展示されています。
阿里山の機関車が何故集集駅で展示されているのかは分かりません。この機関車の面白いところは、(写真でも見えていますが)車輪へ動力を伝える手段がギアというところではないでしょうか。写真に移っている側にのみシリンダーと駆動装置があり、反対側にはないため左右非対称です。速度ではなく牽引力に重点を置いた設計だと思われますが、貴重な機関車だと思います。阿里山鉄道では25號機関車が現役で運行されているそうなので、動く姿を一度見てみたいものです。
駅の横には集集鉄路文物館という建物があり、集集線の日本時代から現在までの歴史が展示されています。
集集鉄路文物館に展示されていた写真の中で、印象に残った一枚がこれ。
集集地震の際の線路は余りにひどい状態で、よく立ち直れたものだと思います。隣接する建物では、鉄道グッツや集集のお土産物を販売する施設があります。ちょっと怪しい雰囲気があり中々楽しめますので、文物館と併せて訪れてみては如何でしょうか。
終点、車[土呈]駅ではゆっくり出来なかったので、今度訪れたときには駅周辺も歩いてみたいと思います。
集集駅前の道路に埋め込まれたプレートには集集「驛(駅)」の文字がありました。
台湾では駅は車站と表記します。これは日本時代を意識して使用したと思われますが、駅でも通じるのでしょうか?